寒天で圧倒的なシェアを誇る伊那食品工業株式会社。様々な寒天を使った製品の中で、特にお菓子作りへ特化した商品アイテムとして「イナゲルC-300」が挙げられます。メレンゲの安定に効果を発揮するこの商品をクローズアップしていきます。まずは、製品特長をみてみましょう。
イナゲルC-300の特長
保形性に優れ、キメの細かなメレンゲをつくります。
メレンゲの気泡の大きさを整え、泡沫を安定させることができます。メレンゲの温度や砂糖の添加量に影響されない、安定した(気泡の潰れにくい)メレンゲをつくります。
気泡が安定することで、メレンゲ菓子の品質・歩留りが向上します。
気泡が強化されることで、他の材料と合わせたときの気泡が潰れにくくなり菓子の品質と歩留りが向上します。
メレンゲに効果があるということがよく分かります。それでは、次に、お菓子の仕込みに使用するために具体的な利用方法をみていきます。
イナゲルC-300の使用方法
- イナゲルC-300:4~5g ※
- 卵白:500g
- グラニュー糖:50g
※ イナゲルC-300の添加量は、卵白重量の約1%です。
イナゲルC-300とグラニュー糖を粉体混合し、事前によく混ぜ合わせておくことです。こうすることで、ダマにならず、卵白にうまく分散し、メレンゲの泡沫を安定させることが出来ます。
- イナゲルC-300とグラニュー糖をよく混ぜ合わせておきます。
- ミキサーボウルに卵白を入れ、低速撹拌しながら①を加えます。
- 2~3分経って気泡が出来てきたら高速撹拌に切り替え、さらに泡立てます。
- お好みのかたさでミキサーを止めます。
使い方は、グラニュー糖との混合というのが最大のポイントですね。では、実際に弊社で「イナゲルC-300を添加したもの」「無添加のもの」でメレンゲを泡立ててみましょう。
社内での試作検証
画像では少し分かりにくい部分もありますが、イナゲルC-300を添加すると、気泡が安定して分離を抑えられます。いわゆる「泡持ちがいい」状態を作ることが出来ます。さらに具体的な使用方法として、お菓子のレシピへの応用について、深く掘り下げていきます。
イナゲルC-300・お菓子への応用例
■こんなお菓子に向いています
- ダックワーズ
- メレンゲの焼菓子
- マカロン
- シフォンケーキ
- エンゼルケーキ
- ビスキュイ・キュイエール
- ビスキュイ・ジョコンド
別立て生地の卵白泡立てに、メレンゲそのものを利用するお菓子作りに、卵白重量の1%を使用するだけで、生地の状態が安定し、歩留りがよくなります。少量仕込みにも効果を発揮しますが、ある程度、量を仕込むシーンではその効果は顕著に表れることでしょう。
■使用上の注意点
※ イナゲルC-300を添加すると、泡立ちが遅くなります。目指す最終比重によって、泡立ての時間は調整が必要です。
※ 表示例は下記のようになります。
[表示例]:酸味料、安定剤(増粘多糖類)
イナゲル C-300 まとめ
かつては、メレンゲの補強的存在として「クレーム・タータ」や「乾燥卵白」がありました。卵を割卵して使用する場合、季節による変動や購入した卵の産地や種類によっても卵白の水分量や ph、コシなどが異なり、安定的なメレンゲを仕込むには「職人の勘」に頼る部分が多かったのではないかと思います。メレンゲの状態を把握する際も、砂糖の入れ具合や配合によって、様々なパターンが考えられ、思い通りの仕上がりにならず苦労していた方も多いのでは?
今回、イナゲル C-300 の特長を知り、実際、卵白を泡立てることで、その効果を体感しました。
特におすすめは、夏場のメレンゲ仕込みです。季節を問わず、冷凍卵白にも(大量に仕込む際には一層のこと)真価を発揮することでしょう。ぜひ一度お試し頂きたいアイテムです。